北極圏のツンドラでは、2018年までの30年で夏に摂氏約1度、冬に1.5度平均気温が上昇。植物の背がよく伸びるようになった。植物に降り積もった雪は断熱材となり、冬に土壌が急速に固く凍りつくのを緩和するようになった。つまり、この美しい花たちは凍土を溶かす手伝いをしている。
凍土には大量の炭素が蓄えられている。凍土が溶けることでそれらが放出され、空気中の温室効果ガスは一層増えることになる。するとさらに凍土が溶け、植物たちの生息域が拡大し、さらなる凍土の溶解につながる……。美しい花々は実は恐ろしい真実を告げ、またその現象に加担しているのである。
参考
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0563-7