日本のSaaSスタートアップ企業がグローバル水準の成長を遂げている
日本のSaaSスタートアップ企業の中には、グローバル企業と同等の成長スピードを示す企業が出てきている。代表例にSmartHRやLINE Worksがあり、これらの企業はすでにグローバル水準の成長指標であるARR成長率(年間経常収益)がT2D3(3倍→3倍→2倍→2倍→2倍)を上回っている。この背景には、日本のIT市場の大きさの他、日本が課題先進国であるがゆえにテーマを見つけやすいことが挙げられる。
業界特化型のSaaSが伸びている
従来は業種横断的に使えるホリゾンタルSaaSが主流だったが、最近では特定の業界に特化したバーティカルSaaSが伸びている。とくに医療・介護分野などでは業界特化型のSaaSが成長しており、これらのサービスを核としてさまざまなビジネス展開が可能になっている。また、現場経験者が起業するケースも増えている。
IPOよりもM&Aが増加している
SaaSの株価下落を受けて、IPOが難しくなっている企業が増えている。その代わりとして、プライベートエクイティファンドや大手企業によるM&Aが増加している。M&Aを選択することで、短期的な株主からのプレッシャーを避けられ、長期的な事業拡大戦略を取りやすくなっている。ただし、企業によってはIPOの方が適切な選択肢となる場合もある。