サービスとしてストレージを使う価値
オンプレミスでも、パブリッククラウドでも、またプライベートクラウドを構築したとしても、データを保管するストレージは必要不可欠な存在だ。メモリーとCPUがあっても、コンピューターは成り立たず、外部記憶装置としてのストレージをどこかに何らかの形態で用意しなければならない。そこで今回は、ストレージをサービスとして利用する「Storage as a Service」についてその価値を考えてみたい。
オンプレミスに自前で設置するストレージ装置や、パブリッククラウドなどのサ ービスの一部としてのストレージでは、「データのサイロ化」が問題になる。ストレージに蓄積したデータと、アプリケーションやサービスが分離できないことにより、データ活用の自由度が低下してしまうためである。アプリケーションやサービスに紐付いたコンピューティングリソースと、データを保管するストレージを分離して独立させられれば、データのサイロ化を防ぐことができる。本連載でも再三、指摘してきた事象だ。
一方で、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)のようなハイパースケーラーのパブリッククラウドを利用している現状から、ストレージだけを分離して独立したサービスとして利用することを考えると、躊躇する部分もあるだろう。
データのサイロ化を防ぎ、DX(デジタルトランスフォーメーション)に求められるデータの民主化の実現をサポートするクラウド接続ストレージサービスとして、Neutrix Cloud JapanはINFINIDAT社の技術を元にした「Neutrix Cloud」を提供している。このサービスを例に、ストレージをサービスとして利用する際の懸念を検証してみたい。