Modern Times トレンドやや深堀り

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(写真:APIWAN BORRIKONRATCHATA / shutterstock

地方創生のカギに「高専」あり。高専生が地域にもたらす活力と将来性

社員の生産性を見える化するサービス「見えるクラウド®ログ」を提供する、セブンセンスマーケティング株式会社の宮田昌輝氏に、高等専門学校と地方創生の関係について解説していただきました。内容を簡単に紹介します。

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https://youtube.com/live/AKMwCE7wgmE?feature=share

Updated by on August, 6, 2024, 1:00 pm JST

――宮田さんは沼津工業高等専門学校を卒業後、筑波大学に編入されています。筑波大学在学中に起業されたということもあり、筑波大学での経験も大きな要因となっていると思いますが、現在32歳で既に4社起業されている経緯には、高専での経験が大きく影響しているそうですね。
そこで、高専がどのような場所で、なぜ多くの起業家を輩出するようになったのかについてうかがいたいと思います。宮田さんが考える高専の魅力とはどこにあるのでしょうか。

宮田:ありがとうございます。高専という言葉にあまり馴染みのない方もいるかもしれませんが、これは高校3年間と短大2年間が連結し、一貫して教育を行っているような学校です。工学を学べるところが多く、NHKロボコンなどのイベントにもよく出場しています。

工業高専の特長は、高校1年からプログラミングやロボットに触れる機会がある点です。通常の高校では5科目や9科目を学び、その後大学で専門教育を受けますが、高専ではこれが順不同で行われます。これにより高校1年からテクノロジーにしっかり触れることができ、高い技術力を身につけることができます。

最近では、起業家教育にも力を入れています。起業家教育が注目されるようになったきっかけの一つは、徳島の神山まるごと高専ができたことです。ここは起業をベースに教育を行う高専で、Sansan株式会社の創業者である寺田さんが設立したことでも話題になりました。またIT人材が不足しているという現状から、国も高専に対する期待を高めています。

――宮田さんご自身も現在、沼津高専でアントレプレナーシップの起業家教育の担当教員を非常勤講師として務めています。

宮田:自身の成功や失敗の経験を通じて、学生に起業という選択肢を持ってもらうことを目指しています。学生たちの反応も非常に良く、起業したいという声が増えています。
現代は15、6歳の学生たちが起業に興味を持つようになってきており、IT系の企業を目指す傾向が強いです。地域の課題を解決するためにプロダクトを作るなど、具体的な目標を持って動いていると感じます。
地方でもスタートアップを増やそうとする動きが見られることから、高専への注目は高まっています。そのため、高専を持つ地域は大きなチャンスを抱えているといえるでしょう。

さらに、例えば沼津高専では、文科省の予算を使ってスタートアップ拠点を学内に設置し、学生が新しい実験を行える環境を整えました。地域の企業と連携し、実際の課題に取り組むことも可能です。
高専には全寮制のところもあり、学生が地域に愛着を持ちやすい環境が整っているといえます。私自身、出身は神奈川ですが15歳〜20歳という青春時代を沼津で楽しく過ごした経験から、沼津に恩返しがしたいと思い、会社の拠点を置くことにしました。高専のある地域には、将来の経営者が現れる条件が揃っているんです。

――宮田さん自身も高専時代に地域との交流を積極的に行い、それが起業のきっかけとなりました。高専の環境がイノベーションを生み出す場となり、地域や企業と連携して良い循環を生み出しているのですね。ありがとうございました。

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