Modern Times トレンドやや深堀り

Modern Times トレンドやや深堀り

(写真:alphaspirit.it / shutterstock

もっとも人材を採用しやすい時期は今だから。HR系SaaSが躍進する背景

2024年7月10日(水)SaaS企業・業界分析メディア「Next SaaS Media Primary」を運営する早船明夫氏が、SaaSのトレンドについて解説しました。内容を簡単に紹介します。

Updated by on July, 11, 2024, 11:00 am JST

名刺管理の「SanSan」が請求書管理SaaSで異常な成長を遂げている意外な理由

Sansanの請求書管理サービスBill Oneが急成長している。背景には、請求書受領のSaaS市場が伸びていること、OCRの精度向上、インボイス制度や電子保存法の整備などの環境変化が挙げられる。また、Sansanが従来から持っていた名刺データのデジタル化ノウハウを請求書管理に活用できたことも大きな強みとなっている。Bill Oneのプロジェクト立ち上げは、経理担当者の発案に始まった。当初は社内でも評価されていなかったが、切実な現場の需要が会社を動かし、結果として大ヒットとなった。

国内最大のSaaSスタートアップ「SmartHR」が大型資金調達に成功。その背景とは?

SmartHRがシリーズEラウンドで214億円の資金調達に成功し、真のユニコーン企業であることを示した。一時期は非常にもてはやされたユニコーン企業であったが、バブルが過ぎると多くの企業はその価値が低迷することになった。SmartHRもその一団のなかに属していたものの、企業価値を取り戻す形となった。この背景にはHRテック市場が成長し、SmartHRが労務管理からタレントマネジメントなど事業領域を広げたことが挙げられる。また、人手不足が深刻化する中で人材マネジメントの重要性が高まっていることも後押ししている。

昨今あらゆる業界で人手不足が叫ばれているが、今後さらに労働人口が減少していくことを考えると、今が一番採用しやすい状況であるといえる。企業は今HRに注力すべきであることもHR系SaaSにとっては成長の火力となっている。

人口減少で地銀はVC・スタートアップとの連携を目指す

人口減少に伴い地方の企業や産業が衰退する中、地方銀行はスタートアップ企業の呼び込みを目指している。しかし、地銀にはスタートアップとの連携ノウハウがないため、東京のベンチャーキャピタルと提携するケースが少なくない。一方で、スタートアップ側も地方展開が難しく、地銀のネットワークを活用することでWIN-WINの関係が生まれる。地銀は助成金などのアドバイスも可能で、地域に浸透するための媒介役となることが期待されている。

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