Modern Times トレンドやや深堀り

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(写真:Svetlana Rey / shutterstock

データを活用することでビジネスを成長させたい人への4冊

ITコンサルタントのマスクド・アナライズ氏が、IT業界で働く人やデータを活用してビジネスを成長させたい人へ向けたおすすめの本のレビューをしました。内容を簡単に紹介します。

Updated by on July, 5, 2024, 6:00 am JST

DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営
(榊󠄀淳 著・翔泳社)

「一休.com」がどのようにデータを活用し、利益をあげてきたのかを解説している。「一休.com」は蓄積したデータから高級ホテルの利用層に訴求できる写真の選び方、フォーカスポイントなどを抽出し、次のアクションに反映することで、サービスを成長させてきた。組織全体でデータを活用するためのヒントが満載だ。

BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?
(ベント・フリウビヤ、ダン・ガードナー 著、櫻井祐子 訳・サンマーク出版)

大規模プロジェクトを成功させるためのノウハウを紹介している。エンパイアステートビルやシドニーオペラハウス、スペインの地下鉄など、過去の大規模建設プロジェクトの事例がその内容とともに詳しく述べられる。実は巨大建築物もITプロジェクトも、失敗するパターン・成功するパターンはそれほど変わらない。ゴールが明確でないものが失敗するのである。これはイベントにおいても同様である。

本邦では東京オリンピックや築地市場の移転など、予算超過や遅延が起きがちな大規模プロジェクトの失敗が続いているが、それらを回避する方法はすでに説明されているのだ。失敗した人々と同じ轍を踏まないよう心がけてほしい。

ユニクロ
(杉本貴司 著・日経BP)

この本では、ユニクロの創業から現在までの歴史と、その過程での失敗の事例が書かれている。創業者の柳井正氏が父から引き継いだ紳士服店での失敗、チェーン展開時や海外進出での失敗など、ユニクロ失敗の物語が赤裸々に描かれている。本書内では著者が当事者へのインタビューを通じて失敗の原因と改善点を掘り下げているため、人材活用の重要性など、他業界にも通じる学びを得ることかできる。

ダークパターン 人を欺くデザインの手口と対策
(ハリー・ブリヌル 著、長谷川敦士 監修、髙瀨みどり 訳・ビー・エヌ・エヌ)

インターネットサービスにおける悪質な手口とその対策が説明されている。サブスクリプションサービスの解約を困難にするような「ダークパターン」の具体例が解説されており、消費者側への喚起はもちろんのこと、サービスの提供側としてもユーザーの信頼を損なうようなことをしないよう呼びかけている。

ユーザーを騙すようなビジネスは、長い目で見れば効率がいいとはいえない。適正なデザインで売上を上げ続けることが肝要となるはずである。

ご視聴はこちらから
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