DXで未来を拓く 先駆者たちの現在地 

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(写真:metamorworks / shutterstock

米老舗VCの最新レポートが予測する「AIクラウドの5つのトレンド」

SaaSやクラウド分野での投資で知られる米VCのBessemer Venture Partnersは6月20日、クラウド市場のトレンドに関する年次報告書「The State of the Cloud」の最新版をリリースした。

Updated by DX Laboratory on June, 26, 2024, 5:00 am JST

この報告書では、グローバルな投資家62人に調査を実施。クラウド・コンピューティング業界におけるAIの影響に焦点を当てながら、以下の5つを最重要トレンドに挙げた。

1. AI基盤モデルをめぐる大手テック企業の競争激化
生成AIの基盤モデル開発がテクノロジー業界の次の大きな戦場となる。アマゾンやグーグル、マイクロソフト、NVIDIAなどは著名なLLM開発企業に多額の出資を行っており、また独自のLLM開発にも取り組んでいる

2. AIにより誰もがソフトウェア開発者になれる時代に
AIを搭載した開発ツールを提供する企業が増える中で、ソフトウェア開発の生産性が飛躍的に向上し、誰もがソフトウェア開発者になれる時代が近づいている。現在のソフトウェア開発者はレビュアーに近い存在に移行していく

3. マルチモーダルAIとAIエージェントの台頭
テキスト、音声、画像、動画などのコンテンツを理解し、生成できるマルチモーダルな生成AIモデルがより幅広いタスクに対応する。特に、音声AI関連のアプリケーションは今後1年で飛躍的な成長を遂げる見込み

4. 垂直型AIがレガシーな垂直型SaaSを上回る
特定の機能や業界に特化した垂直型のAIが増加し、法務や医療など反復的ながら高コストなタスクを自動化する。その市場規模は今後10年で垂直型SaaSの10倍に成長する(同社予測)

5. 個人消費者向けのクラウドが復活
生成AIの台頭により、個人消費者向けのクラウドサービスやアプリケーションが復活する。AI検索エンジンのPerplexity、AIコンパニオンアプリのCharacter.ai、画像生成アプリのMidjourney、動画生成アプリのPikaなどが代表的なサービスで、今後5年間で同分野で複数のIPOが行われる可能性がある

同報告書はその結論の中で、AIクラウドの影響のついて「もはやハイプ(期待・話題が先行している状態)ではない」と指摘。「我々はあらゆる場所で歴史的に前例のないレベルでAIの影響を目の当たりにしている」と記している。

参照リンク
Bessemer’s latest State of Cloud report predicts AI’s world domination – SiliconANGLE
Five trends driving the adoption of Cloud AI technologies, showing reality outpaces hype
State of the Cloud 2024 – Bessemer Venture Partners