英クラウド市場に関しては今年4月、放送・通信規制機関のOfcomが両社による競争上の問題を指摘。両社が設定する高額な「エグレス料金(クラウドサービスから外部へのデータ転送に課される料金)」、他社サービスへの移行の障害となる相互運用姓に関する技術的制限、単一のハイパースケーラーを使用する動機付けとなる確約利用割引などの商習慣に懸念を示し、CMAにさらなる調査を依頼していた。
CMAによれば、新たな独立調査グループは今後、英クラウド市場が適切に機能しているかどうか、そうでない場合、発見された問題にどのように対処すべきかについて調査を実施するという。CMAは市場に正当な脅威があると判断した場合、企業による慣行を変更させたり、買収を阻止したり、事業の一部売却を命令したりする権限を持つ。
CMAの最高責任者を務めるSarah Cardell氏は同市場について「ソーシャルメディアからAI基盤モデルまで、多くのオンラインサービスを支える75億ポンド(約1兆3,600億円)規模の市場」とし、「多くの企業がクラウドサービスに完全に依存しており、この市場での効果的な競争は不可欠」とコメントしている。
なお、CMAによる調査は2025年4月までに完了する見込み。
参照リンク
Microsoft and Amazon face UK regulator investigation over cloud services – The Verge
Amazon and Microsoft to face cloud computing competition probe – BBC News
CMA to investigate UK cloud computing market amid Microsoft and Amazon concerns | Technology sector | The Guardian