水産養殖テックのウミトロン、プレシリーズBで12億2000万円を調達【PR TIMES 6/7】
養殖事業者向けのAIソフトウェアやソリューションを手がけるウミトロンは6月7日、プレシリーズBとして総額12.2億円を調達。今回の投資ラウンドにはENEOSホールディングス、QB第二号投資事業有限責任組合、東洋製罐グループ、商工中金などが参加。2018年のシリーズAラウンドでの調達を合わせた総調達額は24.4億円となった。
ウミトロンは2016年に設立。本社は東京都品川区。水産養殖にAIやIoT、衛星リモートセンシング等の技術を活用することで、持続可能な水産養殖の実現に取り組んでいるスタートアップ。主要なプロダクトには、大規模養殖場向けのAIソフトウェアサービス「UMITRON REMORA」、エビ養殖向けのリアルタイムAI解析ソリューション「UMITORON EAGLE」、世界中の様々なエリアの高解像度の海洋データを取得できるプラットフォーム「UMITRON PULSE」などがある。
同社は調達資金の使い途について、国内の既存事業基盤の強化やグローバル展開に言及。今後、サーモン養殖の主要市場である北欧、チリやエビ養殖の腫瘍市場である東南アジアでの現地法人設立や事業展開を加速させていくという。
【PR TIMES】ウミトロン、プレシリーズBとして総額12.2億円を調達。海外事業展開を促進。
AI創薬のInsilico Medicine、シリーズDで6000万ドルを調達【PR Newswire 6/6】
エンドツーエンドのAI駆動型創薬企業であるInsilico Medicineは6月6日、シリーズDラウンドで6000万ドルを調達。シリーズCのリードインベスターであるWarburg Pincus、B Capital Group、Qiming Venture Partners、BOLD Capital Partners、Pavilion Capitalなどの既存投資家に加え、新たに米西海岸の大手総合資産運用会社やBHR Partners、Insilico創業者でCEOのAlex Zhavoronkov博士などが同ラウンドに参加する。
Insilico Medicineは2014年に設立。本社は香港およびニューヨーク。次世代AIシステムを活用して生物学や化学、臨床試験分析などを結びつけている創薬スタートアップ。深層生成モデルや強化学習、トランスフォーマーなどの機械学習技術を用いて新規ターゲットを発見し、望ましい特性を持つ新規分子構造を設計するAIプラットフォームを開発。がん、線維症、免疫、中枢神経系(CNS)疾患、加齢関連疾患のための革新的な医薬品を発見・開発するための画期的なソリューションを提供している。
資金の使い途については、財務基盤の強化や海外展開、「Pharma.AI」プラットフォームの継続的な開発、完全自動化されたAI駆動型のロボット創薬研究所や生物データファクトリーの立ち上げなどに言及している。
人体と環境を守る技術に期待が寄せられる
食料安全保証上も重要な漁業・養殖業だが、人手不足や環境汚染など課題も多く、ウミトロンのようなイノベーションは世界中で求められている。海外の同業では、2013年に創業されたインドネシアのeFisheryなどが急成長しており、ソフトバンク・ビジョンファンド2なども投資する同社は過去2年で売上が10倍以上に拡大。2022年1月には9000万ドル(約120億円)の大型調達を行っている。
一方、製薬業界のDXの話題の中心となっているのがAI創薬だ。創薬期間の大幅な短縮、コストの削減などが期待されており、大手製薬会社はもちろん、国内外で多数のスタートアップが参入。アルファベット傘下のAI企業であるDeepMind、半導体メーカーのNvidia、中国テック企業のBaidu、日本のNECなど他業界からの参入も目立っている。