中村航

中村航

1980年代、インドのコルカタ(当時はカルカッタと呼ばれていた)で撮影。家族を乗せて走るリキシャ。写っているのは自転車を使ったサイクル・リキシャだが、人力だけで走るリキシャもある。

スポーツの本質は応援にある

DXで起きることはただのICT化ではない。それは生活基盤、人との関係、肉体の構造、社会のあり方などありとあらゆるものを変えていく。スポーツもその一つだ。ここではNFTによるスポーツ業界の変化を紹介する。

Updated by Wataru Nakamura on January, 24, 2022, 0:00 pm JST

ブロックチェーンが紡ぐスポーツとファンの新たな絆

Modern Timesが取り扱うDXというテーマは、極めて幅広くその輪郭を掴むのは容易ではない。交通や物流、製造、小売、金融、医療、教育などあらゆる分野で様々な動きが進んでいるからこそ、自分の関わる業界以外の話題はピンと来ないという人も多いのではないだろうか。その点、スポーツのDXはより多くの人に接点がある。プロ・アマを問わず選手や指導者、ファンはもちろん、スポーツを楽しむ人が身近にいるだけでも関心が持ちやすく想像もしやすい。幸い、業界が異なってもDXのアプローチや活用される技術に共通点は多い。スポーツのDXについて理解を深めることで、他業界のDXへの洞察を得られたり、何らかのアイディアが閃いたりすることもあるだろう。

ビジネスモデルの転換が求められるスポーツ業界

新型コロナ禍でスポーツ業界は大きな試練に直面している。スポーツイベントの開催中止、無観客あるいは観客数を制限した開催が余儀なくされる中で、主要な収益源であるチケット販売は激減。これに伴って飲食やグッズ販売なども落ち込み、多くのスポーツチームは赤字に転落している。

このような状況を打開するカギとなるのがテクノロジーだ。AIやIoT、AR/VR、ビッグデータ分析など、スポーツ業界はファンの観戦体験の革新や新たな収益源の確保を目指して様々な最新技術の可能性を模索している。また、スポーツテックがもたらすのは新たなビジネスモデルだけではない。チームや選手のトレーニングやパフォーマンスを改善したり、一般の人々にこれまでにないスポーツ体験を創出したりするようなテクノロジーも次々に登場している。