髙橋 信久

髙橋 信久

新潟県上越市の小さな村・中ノ俣での祭りの一コマ。この日には村を出ていった人たちが戻り、つかの間の賑わいを取り戻す。この地には伝統的な祭りの形が残っている。

役に立たないデータが、未来の資産になる

データ管理の常識はストレージの高性能化により変化していくだろう。理由はストレージの高性能化にある。ストレージの発達が未来のビジネスを変えていく可能性についてNeutrix Cloud Japanの髙橋CTOが語る。

Updated by Nobuhisa Takahashi on January, 4, 2022, 9:00 am JST

改めて、ストレージとデータの関係について考えてみよう。ここで考えるのはローカルのストレージではなく、オンラインで接続して使うストレージだ。ビジネスに不可欠なデータを蓄積する場所として、ストレージにはどのような性格が求められるだろうか。

オンラインストレージというと、少し前までのサービスは「ネットワーク越しにストレージを提供するので自由に使ってください」というものが多かったように思う。ローカルストレージの代わりにデータを蓄積し、データ流通の自由度を高めることができた。しかし昔のオンラインストレージはセキュリティ面に課題があっただけでなく、速度などのパフォーマンスにも問題があった。個人がデータを保管したり共有したりするには便利でも、ビジネス用途ではバックアップのデータを置いておくための遠隔ストレージといった使い方ぐらいが現実的なものだった。

データの自由度を担保するために

そうした中で、クラウドサービスの利用が広まり、クラウド形式で提供されるコンピューティングパワーとデータストレージを使うことで利便性を高めることが可能になった。クラウドサービスはイニシャルコストが低い、スケールしやすいといったメリットがある。半面、データをすべてクラウドベンダーにロックインされてしまうと、データの活用の自由度に制限ができてしまう。

データを自由に活用できるようにするソリューションの1つが、マルチクラウドの利用だった。ロックインから逃れるために複数のクラウドを適材適所で活用するマルチクラウド環境を整えることができれば、一定のデータ活用の自由度は担保される。それでもユーザーがマルチクラウド基盤を作ろうとすると、複雑なネットワーク構成やデータのバックアップ環境の整備など、エンドユーザーがすべてを満足できるように考えるのは難しい。マルチクラウドでデータを自在に活用できる環境を整えながら、安全で性能の高いストレージを用意するとなると、ユーザーには荷が重いケースが多いのである。

Neutrix Cloud Japan はINFINIDAT社のクラウドストレージサービス「Neutrix Cloud」を提供する。クラウドストレージサービスは、オンラインストレージとは位置付けが異なり、サービスとしてストレージを提供するストレージ アズ ア サービス(Storage as a Service)との位置付けだ。セキュリティ、パフォーマンスに加えて、ネットワーク接続の複雑さを解決したサービスを提供している。マルチクラウド環境でデータの自由度を確保することが、Neutrix Cloudの提供する価値といえる。